アニメでデジタルという道具を使うということ
アニメがCGになったのは20年ぐらい前ですね。円柱を1つレンダリングするのに3時間ぐらいかかり、仕事ではまだつかえないなぁと思ったものでした。しかし、その後の10年の真価がものすごく、それに併せてマシンもあわてて買い替えをしなければいけなくなりました。それでもこの10年の間に「映像屋」「アニメーター」としてマシンが変わっても、必ず使うソフトがいくつかあるのに気が付きました。コンピュータを使う仕事以外のときでも、自分の趣味でつかっている、という部類のものです。まずは1つはQuickTimeのMovie Playerです。それも、最新バージョンではなく「再生の繰り返し」がついている古い2.5とかのバージョンがベストなのです。理由は簡単で自分の見たいようにコマ送りができるからです。アニメに限らず実写でも、映像なら必ずコマ送りで見てしまうのがアニメーターの悪い(良い)癖です。この原点はビデオデッキなのですが、アニメーターの間では20年以上もまえからビデオデッキの普及率は95%を上まり、クーラーや冷蔵庫を買う前に何はなくともビデオを買い映画のコマ送りをしていたのです。ただし、ビデオでコマ送りはできても出力はというと問題はありました。ビデオプリンタもあることはありましたが、そこまでは手は出せません。そこでしっかり目に焼き付けるかモニタに髪を当てて写し取ったりということまでやるのですが、その手間はなかなか大変なものです。ましてや動画になっているものを40枚も50枚もきれいに写すことはできません。そういうことをコンピュータ上で同じようにやったわけです。まず映画を取り込んでMovie Playerでコマ送りをしてコピー、そのままPhotoshopにもっていってペースト、プリントアウトしたりレイヤー上で透かして見たり、表示・非表示を繰り返して数枚だけ動かしてみたり、使い方は様々ですが、ビデオやテレビに直接つなげられたMacintoshのAVシリーズとビデオプレイヤーは本当に使いでがありました。最新のマシン環境なら映画を一本丸ごとハードディスクにおいておくことができますが、ハードディスクが800MBしかない時代のマシンではそれだけで一杯です。1シーンずつ取り込んだり1カットずつPhotoshopにかきだしたりで、おかげでムービーの代わりに絵コンテが1冊出来上がりました。これはけがの功名とでも言いましょうか、商売上アニメの絵コンテは手に入りますが実写映画の絵コンテなんて手に入りませんし、実際にカメラワークまで終わっている画像なので、この映画一本丸ごと書き出しは大変勉強になりました。ビデオカメラがあると、もうモーションキャプチャ代わりです。モニタに紙を当てて動きを映すもの手動モーションキャプチャだったりするのですが、カメラがあると自分で好きなモーションをとることができるわけです。2Dアニメには何百万もするモーションキャプチャは必要なく、これだけでよかったのです。8㎜や16㎜のフィルムでもライブアクションとしてやってはいたのですが、デジタルとコンピュータのおかげで個人でもできるようになったわけです。
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