2014/11/19

画を書かないアニメーション。「中ナシ」を学ぶ

その昔、日本もフルアニメばかり作っていた時期がありましたテレビとともに発達した日本のアニメーションは、独自の分野を確立していきます。リミテッドアニメをさらに進化させたものは、書かないことでした。

日本のアニメーションの最大の特徴リミテッドアニメの基本「中ナシ」

ここでは、画を描かないアニメーションを話したいと思います。はて、何を言っているんだと思われるかもしれませんね。アニメ業界の用語で行ってしまうと「中なし」、実写のほうでは「中ヌキ」や「コマヌキ」と呼ばれているもののことを話そうと思っているのです。
この「中ナシ」こそが、日本のアニメーションの最大の特徴といってもいいかもしれません。
テレビでやっている、動きがなかったり、飛び飛びだったりするのが「リミテッドアニメ」、劇場版などで常に動いている「フルアニメ」という区分があります。しかし、日本のアニメーションの中では常にこの「中ナシ」が使われているために、同じ「フルアニメ」でも海外作品の「フルアニメ」とは言葉の意味合いが違ってくるほど、「中ナシ」は動きに影響するテクニックなのです。
「中ナシ」とは、具体的には文字通り動画の中間の絵がないとか、撮影したムービーの中から意図的に中間の絵をカットするということです。実際より何枚かの画がないことによる効果としては、人間の目で識別できない映像(スピードが速い)を再現することができるというものです。多用しても単なる早送りにしかなりませんから、ここぞという抜きどころというものを抑えなければいけません。
では、どんなところに使われているのでしょう? ゲームやアニメで派遣を振り下ろすところなんかが代表的なところですが、パンチやキック、メカが飛んでいくシーンなどの派手なアクションの時には避けては通れないテクニックです。実写映画の中でもアクションシーンでは必ずと言っていいほど使われています。

3種のアニメーションの比較

ここではリミテッドアニメとCGムービーでのフルアニメの、コマ/フレーム単位の映像の違いを見ていくことにしましょう。
わい借りやすい映像で剣を振り下ろすところですが

剣を振り下ろした時の中割リミデッドアニメ(3コマ取り)の場合
権を振り下ろした時の中割劇場版リミテッドアニメ(2コマ取り)の場合
上の画は3コマ撮り、下の画は2コマ撮りです。理屈では真ん中の2枚に、漫画でよく使われる手法ですが、残像的な画(4’)をいれてあります。産駒砦はこちらも完全に「中ナシ」です。
同じリミテッドアニメでも2つの表現方法はずいぶん違いますが、もちろん2コマ取りでも「中ナシ」にはできます。「中ナシというのは人間の目の錯覚を利用しているものです。画があるように脳に思い込ませているのですね。
脳には見たものを修復するイマジネーション力があります。
右の画をみてください。この場合コンピューターでは処理できない数字になります。しかし人間の脳は黒線をほかの実践に合わせて創造する力があります。1998となんとなくわかり理解して一瞬見たときには1998と書いてあると錯覚します。これが脳の思い込みの力です。

実際には1秒間日本の数枚の絵が表示されているだけなのに、流れるような動きと過去気味のいい動きに見えてしまうのは、人間の目の錯覚を利用したり残像効果を持った画を描いているからです。そのためには数多くのパターンに触れなけらば行けません。
違う画を表示して動かすというのがアニメーション、ムービーの原点ですが、1コマ単位の扱い方というのを究極まで突き詰めていったのは日本のアニメイーターたちです。それにキャラの個性とストーリーの面白さを加えて、「アニメ」と呼ばれる独特のものが出来上がっていったわけですが、せっかくこういったものが身近にあるのですからこのテクニックを知らないでいることはないでしょう。
でも、これがベストな表現方法ではないとも思っています。それzぉれの効果の良しあしを考えて、画面や映像に合わせていくことが大事なのです。トトロがよくてミッキーが面白くないなんてことはないですよね。もっと「新しい」アニメ作品を見たい、作りたいと思っています。

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