2014/11/20

動きを支配する軌道線の重要性

何かが動いたときにその軌跡をつなぐとあらわれる軌道線。自然な動きをつくるには、この軌道線を見出すことが重要になります。これは、手書きでも3DCGでも変わりません。1つの動作の中に、さまざまな軌道線が含まれているのです。

2Dアニメーションでは表示されている画の枚数が違う

軌道線とはどんなものか

次に「軌道線」について、今度は具体的な2Dアニメーターの製作工程を見ながら説明していきたいと思います。
簡単に言ってしまうと、軌道線というのはキャラクターや物体の動きの流れをせんでつないだものです。キャラが演技をするしないに関係なく、ドアが開く、ボールが転がるなど物体が動くときにできる軌跡、それに沿って、常に軌道線ができるわけです。それゆえ2D、3Dにかかわらずアニメーターという人たちは、自分たちの手で動きを設定しなければいけないので、作業の中でこの「線」を非常に大切にしています。アニメーとするものによっては、「運動曲線」「放物線」などいろいろな呼び方はありますが、ここではすべて「軌道線」で統一して話をすすめます。
なぜこれが大事なのか。これはボールを投げたときなどがわかりやすいです。きれいな山なりで飛んでいくのは誰にでもわかります。
キャラクターの動きにこの線を見つけていくのがアニメーターの仕事なのです。同じ絵を描く仕事でもイラストレーターや漫画家さんと違うのはここですね。「キャラクターが振り向く」というアニメをつくろうとしたら、正面顔と横顔で、鼻の位置、全体の大きさなどが同じなるように気を付けなければいけませんね。一枚でも顎が小さい画がはいると、動きはなめらかじゃなくなります。業界用語で「ガタル」といいますが、文字通り途中で流れは途切れてしまいアニメが成り立ちません。動画を描く新人は実際にこの線を紙状に描いて、その中におさまるように中間の顔の画を描いていきます。この作業方法はデッサンの狂いを防ぎ、先輩アニメーターの動きを勉強するにも有効で、一番最初に教わるテクニックでもあります。

原画で基本の動きが決まる

ベテランアニメーターは一見、キャラクターをいかにかっこよく、かわいく描くかだけを主眼にして作業しているように見えます。しかし、本当は1枚1枚の画が次の画にいかに繋がっていくか、という考えのほうを優先に絵を描いています。2Dのアニメーション製作工程においては、原画(キーフレーム)と動画(ソフトによるレンダリング)を別の人間がつくるという制作システムの特性もあり、共通項として、動きのイメージや実作業上において「軌道線」はなくてはならないものです。もっと複雑な演技をする時の「軌道線」はどうするんだ、それに3DCGでつくるときはどうするんだとちょっと不安になってきましたか? 難しく考えることはありません。これは復習です。シナリオや絵コンテを読んで自分がキャラだったらどうするか、どういう演技をするか、まずはそれを考えて、漠然としててもいいですから、流れを線で表現してみましょうこういったさぎょうで経験を積むと、滑らかな曲線を描くためには、具体的に動画があと何枚必要になってくるか、必然的に考えるようになってきます。また、動きをゆっくりにする(動きを詰める)や、前にお話しした止めというのも付け加える要素として出てきます。

2014/11/19

画を書かないアニメーション。「中ナシ」を学ぶ

その昔、日本もフルアニメばかり作っていた時期がありましたテレビとともに発達した日本のアニメーションは、独自の分野を確立していきます。リミテッドアニメをさらに進化させたものは、書かないことでした。

日本のアニメーションの最大の特徴リミテッドアニメの基本「中ナシ」

ここでは、画を描かないアニメーションを話したいと思います。はて、何を言っているんだと思われるかもしれませんね。アニメ業界の用語で行ってしまうと「中なし」、実写のほうでは「中ヌキ」や「コマヌキ」と呼ばれているもののことを話そうと思っているのです。
この「中ナシ」こそが、日本のアニメーションの最大の特徴といってもいいかもしれません。
テレビでやっている、動きがなかったり、飛び飛びだったりするのが「リミテッドアニメ」、劇場版などで常に動いている「フルアニメ」という区分があります。しかし、日本のアニメーションの中では常にこの「中ナシ」が使われているために、同じ「フルアニメ」でも海外作品の「フルアニメ」とは言葉の意味合いが違ってくるほど、「中ナシ」は動きに影響するテクニックなのです。
「中ナシ」とは、具体的には文字通り動画の中間の絵がないとか、撮影したムービーの中から意図的に中間の絵をカットするということです。実際より何枚かの画がないことによる効果としては、人間の目で識別できない映像(スピードが速い)を再現することができるというものです。多用しても単なる早送りにしかなりませんから、ここぞという抜きどころというものを抑えなければいけません。
では、どんなところに使われているのでしょう? ゲームやアニメで派遣を振り下ろすところなんかが代表的なところですが、パンチやキック、メカが飛んでいくシーンなどの派手なアクションの時には避けては通れないテクニックです。実写映画の中でもアクションシーンでは必ずと言っていいほど使われています。

3種のアニメーションの比較

ここではリミテッドアニメとCGムービーでのフルアニメの、コマ/フレーム単位の映像の違いを見ていくことにしましょう。
わい借りやすい映像で剣を振り下ろすところですが

剣を振り下ろした時の中割リミデッドアニメ(3コマ取り)の場合
権を振り下ろした時の中割劇場版リミテッドアニメ(2コマ取り)の場合
上の画は3コマ撮り、下の画は2コマ撮りです。理屈では真ん中の2枚に、漫画でよく使われる手法ですが、残像的な画(4’)をいれてあります。産駒砦はこちらも完全に「中ナシ」です。
同じリミテッドアニメでも2つの表現方法はずいぶん違いますが、もちろん2コマ取りでも「中ナシ」にはできます。「中ナシというのは人間の目の錯覚を利用しているものです。画があるように脳に思い込ませているのですね。
脳には見たものを修復するイマジネーション力があります。
右の画をみてください。この場合コンピューターでは処理できない数字になります。しかし人間の脳は黒線をほかの実践に合わせて創造する力があります。1998となんとなくわかり理解して一瞬見たときには1998と書いてあると錯覚します。これが脳の思い込みの力です。

実際には1秒間日本の数枚の絵が表示されているだけなのに、流れるような動きと過去気味のいい動きに見えてしまうのは、人間の目の錯覚を利用したり残像効果を持った画を描いているからです。そのためには数多くのパターンに触れなけらば行けません。
違う画を表示して動かすというのがアニメーション、ムービーの原点ですが、1コマ単位の扱い方というのを究極まで突き詰めていったのは日本のアニメイーターたちです。それにキャラの個性とストーリーの面白さを加えて、「アニメ」と呼ばれる独特のものが出来上がっていったわけですが、せっかくこういったものが身近にあるのですからこのテクニックを知らないでいることはないでしょう。
でも、これがベストな表現方法ではないとも思っています。それzぉれの効果の良しあしを考えて、画面や映像に合わせていくことが大事なのです。トトロがよくてミッキーが面白くないなんてことはないですよね。もっと「新しい」アニメ作品を見たい、作りたいと思っています。

2014/11/17

無意識の動作は意志の表れ間の極意

間とタイミングをうまく合わせてアニメーションのキャラクターを動かす

見る人を引き付けるテクニックの1つが、「間」を含んだ演技の緩急なのです。人間が普段意識のうちにしている動きですが、アニメーションとして作画する場合とても重要な要素です。

自然な動きに必要なもの

よく動くアニメーションは見ていて気持ちいいのですが、たくさん動くからよいアニメーションとは言えません。なにより、人は絶えず動き続けているものでしょうか? 逆に、止めたり間を作ったりすることが、その動きをよりよいもの、人間臭いものにするということがあるのです。動きの不自然さを解消して、キャラクターに意志を付け加える技、つまり「動きを止めること」がここでのテーマです。
アニメーションをつくるときには役者になろうなんて言いましたが、そんなことはわからないと思われたかもしれません。演技といっても、まず自分だったらどうするかというレベルでいいのです。キャラクターの代わりに自分がその場にいたらどう反応してどう動くのかと、まずはそれで充分です。日常生活の中の動きを想像することから始めましょう。
ただ動いているだけけでキャラクターに感情が見られない、どうも不自然な人間的でない動き。それは無意識な動作のため見落としてしまっているのです。それはすなわち、動きの緩急「間」です。

演技と間のタイミングの妙

「間」というものは落語や漫才でもよく言われています。決められたネタなのに、まるでその場の思い付きで花否定るようなボケとタイミング、何回聞いても同じところで笑ってしまいます。これは演技のほかに「間」があるからこそ楽しいのです。
それではどのくらいの時間を止めたらいいのでしょうか? 残念ながら、それに答えはないと思います。ある程度の基準はあるにしても、こんな時人間はどんな動きをするかというその人の感覚、感性が現れるところですから、はっきりとした数字にはならないのです。これが「自分で演技してみて」と提案する理由です。つまり、それこそがその人のアニメーション個性になるとも言えます。実際に自分で演じてみるのと友達に演じてもらうのとでは、見ればわかると思いますが、全然違う動きだったりします。
1つのモーションの中でここからここまで難病とか、何フレームとか頭で考えてもよいアニメーションにはならないでしょう。シナリオなどのト書きやセリフを頭の中で動かすのと、自分で感情を入れてしゃべりながら演技するのでは全然違うことに気が付きます。これは「動作の時間」ではなく、「演技」と「間」の時間であるという意識からの違いなんですね。理屈で数字を覚えてもだめで、感性による「タイミング」と「間」が大事なのです。
人間として不自然でない動きがわかって来たらそこからキャラクターによる違いへと発展していけるだろうと思います。ストーリーと絵コンテの流れをちゃんと見て、キャラの性格を考えて動かしていく。これは実写の場合でも同じことですから、映画やドラマを見ていろいろ勉強しました。絵コンテと演出家の偉さがよくわかってものです。
前のカットと次のカットで違うポーズになっているとんでもないムービーを見ることがありますが、それは1つ1つのモーションやポーズがつながってアニメーションになるという流れを無視したひどいものです。前の動きがあるからこの動きになりさらに次の動きになっていく、この流れが1つの映像になっていくのですから、1つ1つのモーションは独立したものではないということを忘れないでほしいです。絵コンテは大事ですね。
派手なアクションは動きも早くごまかしが聞くのですが、さりげない日常的な動作ではそうもいきません。普段しているはずの無意識な動きを観客も無意識に知っているわけですから、作品を見ている人たちに、自然、不自然を敏感に感じ取られてしまいます。
キャラクターの代わりに自分がそのムービーの中に入った気になって作ってみましょう。それだけで、動きは自然で人間的なものになるはず。止めることによるアニメーションの良さを発見してください。

2014/11/16

「製作」と「制作」との違いとは?

普通にテレビのアニメーションを見ている人にはどうでも良いことかもしれませんが少なくとも出版やゲーム、映像や音楽などの業界とつながりを持ち、同業者ではないけれど知り合った友人たち、さらに専門学校の学生に時々質問されることがあります。ものすごーく気になるらしくて、曰く「○○製作委員会」って何?エンディングテロップに「制作スタジオ○○」「制作協力○○」「製作○○」って、いっぱい出てくるけど、あれって何?何か違うの?

アマチュアの人には難しいので知らなくて当然ですが、アニメ会社の新人も全然わからないといっていて、それはさすがにまずいのであえてここで説明をしたいと思います。ちなみに「衣(ころも)」があるほう?ないほう? と会話の中では使っています。

客単に、そして簡単に言ってしまうと「製作」はお金を出す人で、「制作」はお金をもらう人とまずは理解しておいてください。ただし、これは私が生きてきたアニメーション業界のことで、演劇とかテレビ局などではちょっと違う意味として使われ方をしています。別の言葉に置き換えると「作らせる人」と「作る人」になります。さらにこれを英語に置き換えると「PRODUCE」と「CREATE」になりますね。つまり、プロデューサーとクリエーターのことで、クリエーターはこの場合アニメーターということです。

ここでちょっと注意しなければいけないのは、アメリカと日本ではプロデューサーの意味合いが違います。日本においてプロデューサーは大半が雇われプロデューサーで、真の意味でのプロデュースをしているわけではなく、現実的には「制作」側に分類されてしまうような使われ方をしています。
アメリカなどではプロデューサーは個人でお金を出したり、いろいろなところからお金を集めてきたりして作品を誰かに作ってもらいます。その際に、企画はもちろん、監督を含めスタッフまで自分で決めてしまって、気に入らなければ監督でさえクビにしてしまうほどの権限を持っているのがプロデューサーです。会社の命令で作品を作るのではなく、個人意思と責任で作品を作るんですね。

アカデミーっ作品賞とかがあるのは、監督ではなくそういう人たちに送るためなのです。監督の才能よりもそういう作品を作ろうと思った人企画【プロデュース】した人を称賛しているわけです。もちろんアイディアだけではなく行動力があり実際に実行した人でなければいけませんが…

日本ではそこまでの財力と権力、指導力や先見性のある人が少ないうえに、体質的になじまないので「製作委員会」という集団プロデュースをとっています。「製作委員会」はアメリカでいう個人の仕事をみんなでやっているわけで、みんなといっても会社の連合だったり、いくつかの各社の担当者のことを言います。別の言い方をすれば、お金はあっても冒険や危険をおかすことなく、失敗の責任も個人でとらなくて済むので、ビジネス的には1つの方法論であって、ものすごく日本人らしいとも言えます。

「制作」と「製作」では見た目もこんなに違う?

アニメーション業界でも単純にお金だけではなく、その作品に対する権利とかを含めるともう少し製作と製作の区分は変わってきます。どんなに企画が良くてもお金がないと作品(商品)は作れませんよね。商品として作品を作るためにお金を出した人はある意味でその作品の持ち主ということになります(これが製作者ですね)。当然のように持ち主には様々な権利が発生してきます。グッズを作る権利、ゲームを作る権利、広告や宣伝に使う権利、DVDにする権利などなどたくさんあります。ホテルを貸し切っての製作発表会は世間的には宣伝のためもありますが、こういった権利の販売会といった側面のほうが正しいといえます。実際にゲーム化の権利はいくらという値段票が配られているのです
みなさんはDVDのパッケージとかグッズで©というまーくをみたことがありますか?業界的には「マルシー」と呼ばれています。いわゆるこれが権利を表す示すものです。©の後に会社名とかが入りますが、原作者がいたりとか「製作委員会」形式だと©3つや4つもついている場合もあります。
かたや制作は、実際にアニメーションを作っている会社、具体的に言うとアニメーターが作業をしている会社を指しています。厳しい見方をすると、漫画原作があったりする作品の場合、監督、作画監督、原画マンから動画マンにいたるまで、制作側は仕事以外にそのキャラクターを描くことはできません。それは©を持っていないというだけの理由からなのですが、例えアニメ版のキャラクターデザインをしていても、そのアニメーターは仕事以外にその作品に対しての権利がないのです。実際に落書きも禁止されている会社があったぐらいで、勝手に漫画やイラストを描いてコミケで販売するなんてもってのほかの違法行為になってしまうのです。
キャラクターデザインをしたといっても自分のものではないのですよ。その昔、手塚治虫の会社が倒産して版権までなくなしてしまい、自分の原作キャラクターなのに描けなくなってしまったというのは有名な話です。ただ製作側もそのアニメーターがいないと売れる作品が作れないので、持ちつ持たれつの関係というのはありますが……。微妙な言い方になってしまいますが、「制作会社」でもオリジナルの企画で©を持つと「製作会社」になるわけで、お金の出どころと権利の比率がどうなっているかで力関係は変わってきます。
そのため、体外の制作会社の社長は制作加害者にならずとも、常々自社の©作品を持ちたいと願っています。

2014/11/15

演出。そして役者になろう!

ところで、【モーション】とは【動き】のことを言います。一方【アニメーション】は動くだけではなく、【いきている】、【生命を持っている】ということまであらわしています。そのキャラクターがどんな正確で、どういう演技をするかなど……。それをあらわすのが【アニメーター】であり、それを考えるのが【演出家】といえるのです。こうして、いきているキャラクターを目指して感情表現まで含めたアニメーションを作ろうと思ったら、3DCGの場合では、指先はもちろん、上半身のひねりや、胸、腹、腰、首、肩が自然な形で動くようなモデリングが必要になるということがわかってもらえると思います。一方、2D差にメーションの場合でも、概念として、こういった人間のモデリングをわかっていれば、描くときに重宝するでしょう。ところで、もっともっと上手なアニメーターになると、実写の役者さんと同じように独特の兄みエー所ん、つまりその人ならではの個性的な動かし方が画面に出てきます。そして、「ああ、○○動かし方と演技だ。うまいなぁ.......」と、その独特さが魅力になり、キャラクターにさらに厚みが増すことになるのですね。
ほかに、ヒロインの女らしさ、かわいらしさ、1つ1つの仕草に惚れ込み、そこからアニメーションやキャラクターが好きになることもあったりしますね。そういう形で制作者が見えるのはかまわないわけですが、そこまでの達人になるのはなかなか大変なものです。
 
ちなみに、アニメーション作品を見るだけのファンの人にとっては、大好きな女の子キャラを描いているのが、不精ヒゲのゴツイおじさんだったりすることに失望するかもしれませんね。「えーっ○○ちゃんはこんなおじさんが描いているのー」って。しかし、それこそがアニメーターの本懐なのかもしれません。絵がき手の姿を感じさせることなく、キャラを見事に活かすことができているのですから。
ところで、新人のアニメーターが、ベテランアニメーターからよく言われる言葉に「画が硬い」というのがあります。この言葉の意味はそのキャラクターの演技がうまくできていないということです。つまり、そこで指摘されているのは、絵の上手下手ではなく、動きがよくないということなのです。この言葉は、動画ではない一枚絵に対してでも使われます。動きがよくない、それはいきている人間として自然な動きになっていないということです。
自分のキャラクターの動きを改めて観察してみてください。キャラクターは人間としていきていますか?

2014/11/12

感情を考慮して動きをつけよう

役者が10人いれば10通りの、人間が00人いれば100通りの動きがあります。全く同じ性格のキャラクターが登場してきても面白いわけがなく、それぞれ違っていてこそ、見ていても感情移入ができるのです。


感情を持っているキャラクター

アニメーターは演出家

感情移入させるために
面白い映画やアニメ、漫画を見ていると、その世界に入り込んでしまったような感覚になります。身近なキャラクターの悲劇に涙したり、すごい力を持ったヒーローの戦いに爽快感を覚えたりします。作品の面白さのバロメーターになる、この【感情移入】というもの、それは見るほうだけでなく作る人間にとっても大切なことです。作っているとき、いかにキャラクターになり切れるか、それを楽しめるか………。これが作品の出来を大きく左右する部分です。
 感情を考慮する、その行動はなり切ってしまうのが手っ取り早い。皆さんも描いている人物と同じ感情をしてしまった経験がありませんか? 全身のアニメーションなら、もうっ全身でなり切っちゃうわけです。何も同じ動きをしながら作れと言っているわけではありません。自分が何かを見てはまってしまう時と同じで、キャラと心を共有するような感覚を持つということです。

うまいアニメーションがつけられたキャラクターは、背骨ンお動き、首の動き、指先の小さな動きまで、それはキャラクターの意思によるものと感じられ、描き手の存在は忘れられてしまいます。キャラクターの個性がうまく描かれていると、だれが描いたかよりもキャラクターの性格と動きのほうが気になり、ドラマに没頭することができます。
キャラクターの向こうに描き手の姿が見えないようにというのは、一見矛盾しているようですが、まずはそれを目指しましょう。

モーションではなくアニメーション

ものすごくリアルな、ハイクオリティのCG映像はそれだけで見るものの目を奪います。
漫画的に、面白おかしくデフォルメされた動きも、簡単にコンピューターでできるようになりました。
そこには最新技術であるCGを見るという楽しみがあります。でも、ムービーとしてみてわくわくするかどうかというのは、モーションがちゃんとアニメーションしているかということのほうが重要であると思います。アニメーションとはいったい何なのか、まずそこからお話しましょう。

日本のアニメーションならではの作る楽しみを知る

アニメーションスタジオで最大手だった「スタジオジブリ」の仕事で新人用に歩きや走りパターン表を作ることがありました。宮崎さんにそうだんしたら、「そういうものは作らなくていいよ。その作品、そのカットによって、キャラクターの感情・気持ちで歩き方、走り方は全部違うのだから」

長年この業界でやってきた先輩に技術を叩き込まれて、知らず知らずのうちにアニメーションとは何であるかということは考えるようになっていました。そして、このとき初めて言葉に置き換えられたのだと思います。

「アニメーションはパターンじゃない」

キャラクターでも物体でも、ひとつの個性、性格、感情を持った動きをして、いきていると感じさせるものを作る、それがアニメーションを作るということ。ただ「人間らしく動く」のではアニメーションといえないのです。

1:「佐藤君が」

2:「怒って」

3:「走っている」

1:「アインシュタインという名前の椅子が」

2:「自分の4本の足で」

3:「歩き始めた」

そんな、命を感じさせるような作品でなくてはならないと思います。

アニメーションを作るとき、常に思い願っているこのことは、たぶん、世界中にいるアニメーターみんなの気持ちなんだとお思います。
セルでのアニメーション(2Dアニメーション)業界に入ったわけでもなく、それこそ雑誌の特集記事や書籍などだけを参考にしている方は多いと思います。ですが、入門講座で教えること、キャラの歩かせ方、走らせ方、振り向かせ方などなど・・・・・。それはあくまで基本でしかないことを忘れないでください。実は、これではまだ「アニメーションを作る」作業には入っていないのです。
もちろん、実作業に入ったときはその基本を知らなければ先に一歩も進めませんから、理屈は知っておくべきです。ただ、スタートラインを間違えることがないようにしたいものです。アニメーションを作る本質の楽しさを知るために。しかし、残念ながら、動かすだけに終わってしまっている、つまりアニメーションしていないムービーをよく見かけます。たぶん、それを作った人はアニメーションさせるということの意味を誤解し、アニメーションを作る楽しさを見逃しているのではないかと思います。

2014/11/10

キャラクターとその動き

同じキャラクターとデザインを使いながらも、ゲームとアニメーションでは、その動かし方は、ちょっと違っています。ゲームの場あり、ある意味では基本に忠実で、ある意味ではアニメーションにはないデザインや動きを作り出すように要求されてきます。しかし、その作品、そのキャラクターの魅力を最大限に引き出そうということにはあまり変わりはありません。
有名なペルソナ4ですね。主人公の顔は少しダークな感じでいかにもとっつきにくそうな感じがでてます。

少し違うシーンですが、髪の毛のカラー、影の入れ方(特に鼻や目元)少し違うだけでキャラクターとしての個性がこんなにも変わることがあるんですね。

でも覚えておきたいのは作品にあった作画をするということ。
いくら絵がうまいアニメーターでも作品に会わなければ使うのが難しいということ。
線が細ければ、ギャグマンがなどの太いキャラクターに違和感があるし
線が太ければ、美少女を書くとそのキャラクターが不細工に見えることだってある。

つまり、本当にうまいアニメーターというのは作品の設定道理に書けるかどうかにかかっているといっても過言ではない。

2014/11/09

アニメプロデューサーへの一歩

これから、アニメプロデューサーになる道のりを一歩一歩つづっていこうと思います。
実際に大手アニメ制作会社に転職してきまして、今働いています。正直言って安月給で拘束時間がとてもながいこの業界果たして私はやっていけるのでしょうか??

今は制作進行として1から学びながらやっています。

石の上にも3年

3年がんばってみて制作デスクを目指してがんばりたいと思っています。
まだまだ業界のこととかわかりませんが私が勉強したこと、聞いたこと、また、ブログを見てくださっているかたからの有力な情報などをお伝えできればと思っています。